JYCフォーラムは自分らしく暮らしていける社会を目指した「若者」に携わる実践者のネットワーク団体です。

共同代表あいさつ

 

太田政男  前 大東文化大学学長

JYCフォーラムは、社会的ひきこもりの若者を支援することから出発しており、今も実践の主要な課題のひとつですが、かれらが抱える「生きづらさ」はすべての若者が抱える「生きづらさ」と共通しています。労働の場に入っていけなかったり、はじき出される若者、学校現場で自分らしさを発揮できない子ども・若者、「生きづらさ」はすべての若者の問題です。

「生きづらさ」を生み出しているのは、現代の社会です。競争や効率、管理を原理とする現代社会のあり方です。そしてこの生きづらい世の中を変えていくのは、生きづらさを抱える当事者としての若者たちです。すべての若者が主体者として仲間をつくり、学び合い、仕事や地域をつくっていく、それが私たちが提起している「若者協同実践」の根本にある理念です。

一人ひとりが違いを認め合い、自分らしく、生き生きと生きてい行ける社会、自分の力を発揮してのびのびと働くことができる仕事や職場、をつくることをめざしています。たくさんのみなさんの参加を待っています。

 

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山本耕平  立命館大学

私は、地域精神保健福祉の現場に身をおくとき、社会的ひきこもり者やその家族が抱える生活問題と向き合い始めました。JYCの前身である社会的ひきこもり全国連絡会を結成したのは、その頃です。今日、福祉の現場では、ひきこもりを中心とする若者問題と向き合う時、新自由主義的価値観と対峙することが求められます。新自由主義的価値観は、ひきこもり者や困難を有する若者の課題を個人の責任に求めます。そして、個人や家族の能力や努力不足の為に、その問題があると迫ります。

私たちは、実践のなかで、ひきこもり者や困難を有する若者の生活問題を解決する責任は国にあることを確信してきました。私たちが、今日直面している深刻な課題である8050問題にしてもそうです。ひきこもりが深刻化してきた1990年代初期以降、相談体制の充実は行ったものの、彼や彼女たち、さらに家族の生活問題を公的に解決する明確な施策が示されてきていません。自助や相互扶助を強める新自由主義的政策が強まるなかで、ひきこもりを主とする若者の生活問題が、より深刻化しているのではないでしょうか。

JYCは、若者の生活問題に対峙し、彼や彼女が意味ある人生を送ることを公的に保障される方法・制度・政策が充実されることを目指し、研究・運動を進めてまいります。

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佐藤洋作  NPO法人文化学習協同ネットワーク

若者支援は、メンタルケアから居場所づくりや学び直し、そして仕事体験から就労支援と包括的なものへと広がってきました。孤立し貧困化する若者を社会につなげるためには個人的なケアと若者の参加の場である地域コミュニティの再生を一体のものとして進めなければなりません。そのためには若者支援機関だけでなく他の専門機関やさまざまなNPOや市民の連携、さらには就労支援を効果的にするためには地域社会がさまざまな事業所や企業をも含む地域経済ネットワークとして編み直される必要があります。

さらには、若者支援は若者への一方的な支援としてではなく、支援-被支援を超えた双方向的な関係であること、若者自身はサポートされながらも自分たちが生き働く社会を創造していく主体でもあるという視点が重要になってきています。

JYCは各地の取り組みをつなげ、若者をめぐる制度や政策を実践的に研究したり情報発信をする、若者も含む参加者相互の学び合いに支えられた「若者協同実践」団体です。

 

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古村伸宏 日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会

「若者協同実践」という言葉には、長年の実践の格闘の中から見出された、人間と社会の相互発達(発展)のあり方を探求しようとする、含蓄深い響きがあります。それは、ワーカーズコープが長年探求し辿り着いた「協同労働」という、人間的な働き方の実践と呼応します。人が生き働くことは、絶えず社会とのあり方、言い換えれば他者との関係を抜きに語れません。しかし、様々な分断によってひび割れた今の社会を生きることは、孤独や孤立に覆われています。その中で、「協同」の持つ本質的価値を実践の中から問い直そうとするJYCは、「つながる意味」と「つながり方」を編み出す実践集団であり、「人間とは」「社会とは」という根源を見出す運動体です。そして、自己と他者の関係に大きな葛藤を抱える「若者期」を焦点とした実践は、誰もが人間として生きる社会のあり方を示す普遍性を持つでしょう。JYCは「共に生きる」ことを真正面に据えた実践的な探求者の集いであり、その問いを全世代・全社会のテーマと切り結び、誰もが多様で豊かな関係の中から、生きる営みの主権性を取り戻そうとする、社会創造の実践者です。

 

 

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