JYCフォーラムは自分らしく暮らしていける社会を目指した「若者」に携わる実践者のネットワーク団体です。

共同代表あいさつ

穴澤義晴  コミュニティワーク研究実践センター

社会教育(青年教育)の分野で、実践(若者の交流・社会参画事業)を通じ多くの若者と出会ってきました。平成のはじめは、まだ、共に行動することが当たり前、集団に属することの当たり前が、かろうじて残っていた時代であり、集団づくりを再構築する動きが主流でした。しかし、その後は・・・独りぼっち、社会的孤立の課題を抱える若者の支援へと、集団から個人の支援への比重が増大し、若者との関わり方が激変した感覚がありました。支援という言葉に代表される関係性や、課題・問題への対処方法で、社会的孤立の課題は解決されるのか?という問いをずっと現場で抱えるようになりバーンアウトしかけた時、若者協同実践全国フォーラム(JYC)の仲間に出会ったのです。

共に悩む仲間と、自分たちの実践を開き合い、交流そして学びの場づくりに参画していく中で、若者を支援することから解放され、若者と共に暮らす実践へと舵を切れたのだと思います。それぞれの地域・コミュニティで、お互いに必要としあえる関係性を持ちえたとき、支援する・される関係性を越えて協同する関係が構築でき、社会的孤立を感じずに暮らしていけるのではないかという実感が生まれたのです。

「共に学びあう関係」・「共にどんな社会を創造しようとしているのか」という感覚を取り戻し、孤立せずに実践の場に立ち続けること、さらに、わくわくしながら参画し続けるために、JYCというこのコミュニティを、協同する関係づくりを大事に育てていければと願います。


古村伸宏 日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会

「若者協同実践」という言葉には、長年の実践の格闘の中から見出された、人間と社会の相互発達(発展)のあり方を探求しようとする、含蓄深い響きがあります。それは、ワーカーズコープが長年探求し辿り着いた「協同労働」という、人間的な働き方の実践と呼応します。人が生き働くことは、絶えず社会とのあり方、言い換えれば他者との関係を抜きに語れません。しかし、様々な分断によってひび割れた今の社会を生きることは、孤独や孤立に覆われています。その中で、「協同」の持つ本質的価値を実践の中から問い直そうとするJYCは、「つながる意味」と「つながり方」を編み出す実践集団であり、「人間とは」「社会とは」という根源を見出す運動体です。そして、自己と他者の関係に大きな葛藤を抱える「若者期」を焦点とした実践は、誰もが人間として生きる社会のあり方を示す普遍性を持つでしょう。JYCは「共に生きる」ことを真正面に据えた実践的な探求者の集いであり、その問いを全世代・全社会のテーマと切り結び、誰もが多様で豊かな関係の中から、生きる営みの主権性を取り戻そうとする、社会創造の実践者です。

 

 

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